糖尿病 癌 胃十二指腸潰瘍になりやすい血液型🌡🦠

日本人の妊娠糖尿病リスク、血液型と関連していた
ケアネット(2016/4/20)
 ABO式血液型は妊娠糖尿病と関連し、

🌡AB型は妊娠糖尿病リスク因子の1つであることが、長野県・飯田市立病院の下平 雅規氏らの日本人を対象とした研究で明らかになった。Diabetes & metabolic syndrome誌オンライン版2016年3月14日号の報告。

 著者らは、ABO式血液型と妊娠糖尿病との関連を調査する目的で、日本人の妊婦5,424人のデータを用いて、後ろ向き症例対照研究を行った。

 妊娠糖尿病のスクリーニングは、妊娠第1期に簡易的なブドウ糖試験、妊娠第2期に50g経口ブドウ糖負荷試験を実施した。スクリーニングで陽性であった場合は、75g経口ブドウ糖負荷試験を行い、国際糖尿病・妊娠研究会(IADPSG)の基準に従って妊娠糖尿病と診断した。交絡因子を調整後、ロジスティック回帰分析を用いて、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出した。

 主な結果は以下のとおり。

🌡A型(調整後のOR:0.34、95%CI:0.19~0.63)、

🌡B型(調整後のOR:0.35、95%CI:0.18~0.68)、

🌡O型(調整OR:0.39、95%CI:0.21~0.74)の妊婦は、

🌡AB型の妊婦と比較して、妊娠糖尿病発症リスクが低かった。
🌡AB型の妊婦は、A型・B型・O型の妊婦と比較して、妊娠糖尿病発症リスクが有意に高かった(調整後のOR:2.73、95%CI:1.64~4.57)。

(ケアネット 武田 真貴子)
原著論文はこちら

Shimodaira M, et al. Diabetes Metab Syndr. 2016 Mar 14.[Epub ahead of print]

 

🌡乳がんになりやすい血液型🌡
ケアネット(2019/12/10)
 ABO/Rh式血液型と乳がんの関連について、これまでの論文では結果が分かれている。今回、ギリシャ・Democritus University of ThraceのAnastasia Bothou氏らが実施したギリシャ人女性における症例対照研究では、

🌡乳がんと🌡

🌡A型の女性の間に有意な関連を示すことが報告された。Journal of B.U.ON.誌2019年9-10月号に掲載。

 本研究には、2016~19年にギリシャの2つの病院で診察を受けた女性341例が参加した。
症例群は乳がん切除術後に病理学的に乳がんと確認された女性202例、

対照群は臨床検査と超音波検査/デジタルマンモグラフィ乳がんではなかった女性139例。

 血液型の調査の結果、症例群では

A型61.9%、

B型5.5%、

O型26.7%、

AB型5.9%、

対照群では

A型31.6%、

B型13.7%、

O型47.5%、

AB型7.2%であった。これらの結果をIBM SPSSソフトウェアを用いて解析したところ、カイ二乗検定とピアソンの相関係数の検定から、

 

🌡乳がんと🌡

🌡A型🌡に有意な相関が示され(p<0.01)、🌡A型の女性は

B、O、AB型の女性より乳がんリスクが高いことが示された。

(ケアネット 金沢 浩子)
原著論文はこちら

Bothou A, et al. J BUON. 2019;24:1884-1888.

 

🌡がんリスクが低い血液型は?🌡
ケアネット(2017/9/14)
 ABO式血液型は遺伝的な特性である。今回、ABO式血液型と、がん全体および各がんにおける発症リスクの関連について、米国・ピッツバーグ大学のJoyce Yongxu Huang氏らが上海コホート研究で調査し、PLOS ONE誌2017年9月7日号に報告した。


 本研究は、1986年に登録された

中国人男性1万8,244人の前向きコホート研究である。25年のフォローアップ期間中に3,973人ががんを発症した(肺がん964人、大腸がん624人、胃がん560人、肝臓がん353人、膀胱がん172人など)。Cox比例ハザードモデルを使用して、ABO式血液型によるがん全体および各がんのハザード比(HR)を計算した。

 主な結果は以下のとおり。

🌡B型はA型と比べてがん全体のリスクが有意に低かった(HR:0.91、95%CI:0.84~0.99)。

🌡B型とAB型はそれぞれ、消化器がんと大腸がんのリスクが有意に低かった。

🌡B型はまた、胃がんリスクと膀胱がんリスクも有意に低かった。

🌡AB型は、肝臓がんリスクが有意に高かった。

🌡組織型別にみると、B型とAB型は、扁平上皮がんと腺がんのリスクが低かったが、肉腫、リンパ腫、白血病またはその他の細胞型のがんリスクとは関連していなかった。


(ケアネット 金沢 浩子)
原著論文はこちら

Huang JY, et al. PLoS One. 2017;12:e0184295.

 

🌡O型女性🌡は

🧬胃十二指腸潰瘍🧬リスクが高い~日本ナースヘルス研究
ケアネット(2017/11/10)
 ABO式血液型でO型の日本人女性は、他の血液型の女性よりも胃十二指腸潰瘍の発症リスクが有意に高いことが、群馬大学のLobna Alkebsi氏らの研究により明らかになった。また、1955年以前に出生した群は、それ以降に出生した群よりも高リスクであった。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年10月28日号の報告。

 

🌡血液型Oが消化性潰瘍リスク上昇と関連するという報告があるが、日本人対象の調査はほとんどない。そのため、著者らは、日本人女性の大規模コホート研究である日本ナースヘルス研究※(n=15,019)の前向き/後ろ向きデータ両方を用いて分析を行い、

ABO式血液型と胃十二指腸潰瘍発症リスクとの関連性を調査した。胃十二指腸潰瘍発症リスクに対するABO式血液型の影響は、Cox回帰分析を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。


🌡血液型Oの女性は、それ以外の血液型(A、B、AB)の女性と比較して、出生時から胃十二指腸潰瘍の発症リスクが有意に高かった(多変量調整ハザード比 1.18、95%CI:1.04~1.34)。


🌡血液型Oで1955年以前に出生した女性は、それ以降に出生した女性よりも、

⚠️胃十二指腸潰瘍の累積発生率が高かった。
 1955年以前群:多変量調整ハザード比 1.22、95%CI 1.00~1.49
 1956年以降群:多変量調整ハザード比 1.15、95%CI 0.98~1.35

※日本ナースヘルス研究(JNHS:Japan Nurses' Health Study)
 女性の健康増進に役立てるため、日本の女性看護職員を対象に、生活習慣や女性ホルモン剤の利用が健康にどのような影響を及ぼすかを研究している。


(ケアネット 武田 真貴子)
原著論文はこちら

Alkebsi L, et al. J Epidemiol. 2017 Oct 28. [Epub ahead of print]